クリエイター活動

Kindle漫画を出版して1ヶ月、売れたのは4冊でした

「公開したら誰かが見つけてくれる」という幻想

『カチアル物語』をKindleで公開したのは、正直なところそこそこの覚悟を持ってのことだった。

iPadとApple Pencil、クリスタEXだけで完結させた制作環境。ネームを何度も描き直したキャラクターたち。Xでは全ページを無料公開していたから、「読んでくれている人はいるはずだ」という手応えもあった。1投稿あたりのインプレッションが20〜30という数字を見ないふりをしながら、心のどこかで「Kindleに出せば話は別だろう」と思っていた。

出版ボタンを押した日のことは今でも覚えている。特に何も起きなかった。当たり前だ。

1ヶ月後の通知

売上レポートを開いたのは、公開からちょうど1ヶ月が経った日だった。

累計販売数、4冊。

数字を二度見した。見間違いかと思って、ページを更新した。変わらなかった。

内訳を思い出してみる。1冊は、いつも感想をくれる常連のファンの方。もう1冊は別のファンの方。3冊目もファンの方。そして4冊目は──親だった。

つまり、赤の他人が偶然見つけて買ってくれた冊数は、ゼロ。

「ファン3人+親1人」が教えてくれたこと

正直に言うと、最初はちょっと笑ってしまった。あまりにもわかりやすい結果だったからだ。

でも笑った後に残ったのは、地味に効くタイプのショックだった。Xで全公開しているコンテンツを、わざわざお金を払ってKindleでも読んでくれる人が3人もいた、という事実は本当にありがたい。これは間違いなくポジティブな数字だ。応援してくれている人が確かに存在する証拠なのだから。

一方で、それ以外の誰にも届いていないという事実も、同じくらいはっきりしていた。Xのインプレッション20〜30という数字と、Kindleの売上4冊という数字は、たぶん同じ根っこの問題を指している。そもそも「カチアル物語」という作品の存在が、ファン以外の人の目に入っていない。

「全部無料で読める内容を、なぜわざわざ買うのか」という導線設計の問い以前に、「そもそも見つけてもらえていない」という、もっと手前の壁にぶつかっていたわけだ。

親が買ってくれた1冊について

これは余談だけど、親が買ってくれた1冊について少し書いておきたい。

内容を全部知っているはずなのに、わざわざ買ってくれた。応援の気持ちだというのはわかっている。でもその1冊は、他のどの売上とも違う重みで自分の中に残っている。数字上はただの「1」だけど、心情的には別枠だ。

この4冊から次に考えたこと

累計4冊、ファン3人+親1人という結果は、正直かなり厳しい数字だ。ただ、ここで得られたものもある。

  • 拡散力とKDPの購買は連動していないということが数字ではっきりした。Xで公開しても届く範囲が狭ければ、Kindle側の売上も同じだけ狭くなる。
  • 既存のファンは、確かにお金を払ってでも応援してくれるという手応えは得られた。これはゼロからは得られない財産だ。
  • 「新規に届ける」という課題が、想像以上に優先度の高い問題として浮き彫りになった。

『カチアル物語』は毎月1〜2冊のペースで刊行を続けていく予定だ。今のところ売上という数字だけを見れば厳しいスタートだけど、この4冊がなければ気づけなかったことも多い。次の巻では、この「届いていない」という課題にどう向き合うかを試していきたいと思っている。

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